XR総合展 in 幕張メッセ

54回生
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全体の感想と振り返り

まず率直に、とにかく広かったなあという印象です。当然ですが今回の展示会は企業向けだったので、全体的に少しピリッとした空気感で、正直気軽に展示を見たり声をかけたりはしづらかったです。自分が基本一人で回っていたからというのもありますが、その空気感に気圧されて見学を諦めてしまったところも、正直何か所かあるので、もうちょっと勇気を出してみれば良かったという反省もあります。ただ、今回の見学で自分の既知の技術や知らなかった技術について、より深くまで見て、聞いて、そして体験することができたので、学校でぼーっと授業を受けるよりも確実に有意義な時間を過ごせました。また今回のような見学の機会があれば是非参加したいです。

印象に残っている展示ランキング

【1位. EDOVERSE 】

〇情報

企業:EDOVERSE さん ブース:ブロックチェーン展

〇概要

「現代に都市・江戸が存在するとしたら」をコンセプトに、徳川家の子孫である徳川家広氏監修のもと仮想空間上に江戸の街並みを再現。日本の文化や芸術への理解促進、文化の発展に寄与するとともに、NFT技術を活用し仮想空間上での賃貸運営など新たな経済圏を構築する。また、自治体が自身で所有する土地を観光地としてプロデュースしプロモーション活動を行うなどの活用方法も可能。

〇凄いと思った点

メタバース上に歴史上の世界を再現するというアイデアは個人的には新鮮に感じました。また、ただただ再現するだけでなく、NFT技術を用いて新たな経済圏として活用することで、賃貸運営や観光地化などで江戸の街並みであるという事が一層有利に働いているとも感じ、非常に秀逸なコンテンツだなとも思いました。

【2位. 脳波×AI 】

〇情報

企業:macnica さん ブース:AI・人工知能展

〇概要

従来のAI学習では、教師データに一つ一つ情報を付与する必要があり膨大な時間を要していたが、脳波×AIによって教師データの情報を脳波によって学習できるのでAI学習を効率化することができる。

〇凄いと思った点

この脳波を用いたAI学習は、学習対象が複雑であるほど効果的なのではないかと感じ、AIの学習精度向上にもかなり役に立つのではないかと思いました。また、脳波によって学習するのと逆に脳波を読み取って情報を提示するなど、高い発展性・活用性ある技術だなと感じました。

【3位. xR教育支援システム 】

〇情報

企業:株式会社アルファシステムズ さん ブース:XR展

〇概要

360度カメラで撮影した映像をもとに、簡単にテキストや画像・動画、シーン移動などのアノテーションを追加したVR教材を作成できる。また、各VRゴーグルの表示している映像や動作状態の一覧表示、視聴画面内へのテキストメッセージ送信・表示や一斉操作などが可能。他にもユーザ認証設定やWEBブラウザ視聴などの便利な機能が沢山。

〇凄いと思った点

単なるVR映像コンテンツとして教材を作成できるだけでなくアノテーションを追加した教材を簡単に作れるのは非常に便利だと感じました。また、複数のVR端末の状態の集約・管理ができるのも有用性が高いと思いました。かなり需要のあるシステムなのではないかなと思います。

【4位. TradeWaltz 】

〇情報

企業:株式会社トレードワルツ さん ブース:ブロックチェーン展

〇概要

従来貿易取引において各領域の人々がそれぞれ分散して所有、紙やFAX、PDFによってやり取りしていた情報を、ブロックチェーン基盤上に集約し簡単に共有することを可能にする産業横断型の貿易プラットフォーム。業務ミスの削減と貿易手続きの効率化が期待できる。

〇凄いと思った点

貿易取引にかかる莫大な時間を大幅に短縮でき、事業に関わる企業間での情報共有が容易になるというこの技術はかなり汎用性の高い技術だと感じました。また、ブロックチェーン技術を用いることによってセキュリティ強化ができる点も素晴らしいと思います。

【5位. i.human english 】

〇情報

企業:株式会社ナンバーワンソリューションズ さん ブース:生成AI World

〇概要

語学学習専門のキャラクターAI「i.human english(アイヒューマン イングリッシュ)」を活用することで講師ごとの質のばらつきや時間的制約などの課題を解決し、ローコストかつ効率的に英語学習ができる技術。また、AIを活用するメリットには完全な個別対応が可能な点やAIによる分析レポートを作成できる点なども挙げられる。

〇凄いと思った点

講師ごとの質のばらつきや時間的制約の問題は、昨年S特でMLの英会話をしていた時に日々強く感じていたので、この技術は個人的にかなり有用に感じました。英語以外の言語の学習でも同じ問題を抱えている人はたくさんいると思うので、今後広く知られて活用されるようになったら良いなと思います。

最後に ∼気になった言葉たち∼

〇デジタルツイン

現実世界の環境から収集した様々なデータを基に、コンピューター上の仮想空間に同じ環境を双子のように再現する技術。

〇ブロックチェーン

データを「ブロック」と呼ばれる単位で管理し、それらを暗号技術によって過去から一本の鎖のようにつなげる形で記録・維持する技術。あるデータについて改ざんを行うためには、それ以前のデータすべてを改ざんする必要がある為、データの破壊や改ざんが極めて難しいとされる。また、ブロックチェーン化された情報は、複数のシステム間で保有・常時同期される「分散型台帳」という仕組みで管理されるため、一部のシステムの故障によるシステム全体への影響を抑制することができる。

〇LLM

大規模言語モデル(Large Language Model)。大量のテキストデータとディープラーニング技術を用いて構築された自然言語処理モデルのことであり、テキスト分類や文章要約、質疑応答など様々な自然言語処理に応用できる。

〇RFID

電波を用いてRFIDタグのデータを非接触で読み書きするシステム。バーコードのスキャンと異なり、複数のタグを一気にスキャンしたり、電波の届く範囲であればタグが遠くにあってもデータの読み書きが可能。

〇API

「アプリケーション・プログラミング・インターフェース」の略。ソフトウェアやプログラム同士をつなぐインターフェース。ソフトウェアやアプリケーションの一部を外部に向けて公開することによって、第三者が開発したソフトウェアと機能を共有できるようにするシステム。基本的なプロセスは「リクエスト」と「レスポンス」で構成され、API提供者の構想・設計に基づいてリクエストに対するレスポンスの機能が実装されるため、「APIはこうしてくれるもの」という決まりはない。

〇IoTゲートウェイ

ネットワーク上に存在する複数のIoTデバイスとサーバー間でのデータのやり取りを中継し、効率的に行うための装置。IoTデバイスから収集される高解像度の画像/動画などのデータを直接サーバーとやり取りするとサーバーに大きな負荷がかかるため、それに起因する通信障害などを回避する目的で利用される。また、企業などでは数百~数億台のIoTデバイスすべてを直接ネットワークに接続すると通信費用やセキュリティ上の問題が発生するため、IoTデバイスを直接ネットワークに接続しないためにも利用される。

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